各種ハーブの効能

ターメリック


アーユルヴェーダからみた使い方

名前:ターメリック|handra

ターメリックは天然の素晴らしい抗生物質であると同時に、消化力を高め、腸内フローラを活性化することを助けます。菌に強い性質は、慢性的な虚弱や病気にも向いています。また、血液を浄化し、温め、新しい血液の形成を助けます。さらに代謝の調整をしてくれる作用があり、タンパク質の消化を助けます。また、ターメリックは聖なる母のエネルギーを持ち、繁栄をもたらします。チャクラをクレンジングし、微細なエネルギーを浄化します。黄疸、肝炎、妊娠中、ピッタの過剰の際は注意が必要です。

学名 Curcuma longa
使用部位 根茎
ドーシャエネルギー K-, (過剰摂取の場合PV+)
6つのラサ 苦味、渋味、辛味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 加熱
ヴィパーカ(消化後の味) 辛味
ダートゥ(組織への影響) 全て
系統 消化器系、循環器系、呼吸器系

和ハーブとしての使い方

和名:鬱金|ウコン

西洋のメディカルハーブと同じ種類になります。その他、春ウコン(Curcuma aromatica)や紫ウコン(Curcuma zedoaria)も利用されてきました。日本でウコンが利用されるようになったのは室町時代以前と言われています。秋に採取した根茎を、フレッシュのままかドライにして煎じて服用します。

学名 Curcuma longa
使用部位 根茎
作用 健胃作用、強肝作用、胆汁分泌促進作用、利尿作用、抗菌作用、抗アレルギー作用、抗酸化作用、止血作用
適応 疲労、二日酔い、胃腸・肝臓の不調、糖尿病、打撲、切り傷、擦り傷

中医学・漢方からみた使い方

生薬名:鬱金|ウコン

気をめぐらし、うっ滞した気を解消する作用があります。また、血熱を静め、瘀血を排泄する作用があります。皮膚の炎症を静めます。症状としては、吐血、鼻血、血尿、黄疸、打撲、腫物、湿疹、皮膚炎などにいいとされています。抑うつや興奮にもいいです。

学名 Curcuma longa
使用部位 根茎
薬理 血清コレステロール値増加、利胆
性味 辛苦、涼
帰経 心、肺、肝

フェンネル

アーユルヴェーダからみた使い方

名前:フェンネル|Shatapushpa

フェンネルは消化に素晴らしくいいハーブの一つと考えられています。ピッタを悪化させずにアグニを強くしてくれ、鎮痙や溜まったガスを取り除くことに向いています。種子を煎り、小さじ1程をそのまま、もしくは塩と一緒に食後に摂ります。クミンとコリアンダーとのブレンドはよく使われます。特に子供やお年寄りといった消化器系が弱い人にも向いています。神経系を穏やかにし、精神的な覚醒を促します。不尿器系に使う場合は、コリアンダーとよく合います。消化器系が弱く、辛いスパイスによって熱を持ちすぎたり、刺激され過ぎることを抑えます。下剤による腹痛を抑え、月経の促進や母乳の出をよくすることにも使われます。

ドーシャエネルギー VPK=
6つのラサ 甘味、辛味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 冷却(少しだけ)
ヴィパーカ(消化後の味) 甘味
ダートゥ(組織への影響) リンパ、血液、筋肉、骨髄
系統 消化器系、神経系、泌尿器系

カルダモン

アーユルヴェーダからみた使い方

名前:カルダモン|Ela

カルダモンは、一番安全な消化促進のハーブのひとつです。アグニを燃やし、胃と肺からカパを取り除きます。心と精神を刺激し、明晰性と喜びをもたらします。ミルクを加えることで、コーヒーのカフェインを無毒化すると言われています。子供やヴァータ過剰の人の神経からの消化不良によく、フェンネルを混ぜるとさらに効果的です。胃酸の逆流や吐き気に有効です。消化不良や栄養の吸収の促進をします。その他、咳やぜんそく、しゃがれ声、気管支炎といった呼吸器系のトラブルにもいいです。

ドーシャエネルギー VK-, (過剰摂取場合P+)
6つのラサ 辛味、甘味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 加熱
ヴィパーカ(消化後の味) 辛味
ダートゥ(組織への影響) リンパ、血液、骨髄、神経
系統 消化器系、呼吸器系、循環器系、神経系

コリアンダー

アーユルヴェーダからみた使い方

名前:コリアンダー|Dhanyaka

コリアンダーは特に消化器系と泌尿器系のピッタの不調に向いているハーブです。コリアンダーのフレッシュジュースはアレルギー、花粉症、湿疹に効果的です。小さじ1のコリアンダーを1日3回摂取します。外用として使うと皮膚の炎症や痒みにも有効です。コリアンダー、クミン、フェンネルは似た作用があり、一緒に摂取することで消化の不調に使えます。注意事項はあまりないハーブですが、ヴァータ過剰の時、神経系に不調がある時は注意が必要です。

ドーシャエネルギー PKV=
6つのラサ 苦味、辛味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 冷却
ヴィパーカ(消化後の味) 辛味
ダートゥ(組織への影響) リンパ、血液、筋肉
系統 消化器系、呼吸器系、泌尿器

クローブ

アーユルヴェーダからみた使い方

名前:クローブ|Lavanga

クローブは肺と胃に対する効果的な刺激剤です。冷えを取り除き、リンパの汚れを取ります。咳、風邪、喘息などにも効果的です。消化不良、嘔吐、しゃっくり、虫歯、喉頭炎、咽頭炎、低血圧にもいいとされています。マイルドな催淫作用があります。炎症がある時、過度の緊張、ピッタ過剰の時の使用には注意が必要です。

学名 Caryophyllus aromaticus
使用部位 乾燥させた蕾
ドーシャエネルギー VK-, P+
6つのラサ 辛味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 加熱
ヴィパーカ(消化後の味) 甘味
ダートゥ(組織への影響) リンパ、筋肉、骨髄、神経、生殖
系統 循環器系、消化器系、呼吸器系、泌尿器

シナモン

アーユルヴェーダからみた使い方

名前:シナモン|tvak

シナモンは、血液循環を増加かせ、調和させるスパイスです。風邪やインフルエンザの時の発汗や去痰に効果的です。歯痛や筋肉痛をやわらげる作用もあります。心臓を強くし、腎臓を温め、アグニを促進させます。ジンジャーよりピッタを増やさず、特にヴァータタイプの人にいいです。カルダモン、シナモン、月桂樹の3つのブレンドは、消化促進にとてもいい組み合わせです。

ドーシャエネルギー VK-, P+
6つのラサ 辛味、甘味、渋味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 加熱
ヴィパーカ(消化後の味) 甘味
ダートゥ(組織への影響) リンパ、血液、筋肉、骨髄、神経
系統 循環器系、消化器系、呼吸器系、泌尿器

ジンジャー

アーユルヴェーダからみた使い方

名前:ジンジャー|ardraka(フレッシュ)、shunthi(ドライ)

西洋のメディカルハーブと同じ植物です。ハチミツと一緒に摂ればカパを減らし、キャンディーにすればピッタを減らし、岩塩と摂ればヴァータを減らします。ドライジンジャーはフレッシュより温かい性質があります。よりカパを減らし、アグニを増やし、刺激し去痰するのに役立ちます。フレッシュジンジャーはより発汗性があり、風邪、咳、嘔吐、乱れたヴァータに有効です。ジンジャーは消化器と呼吸器のトラブルにいいのは有名ですが、関節炎や心臓の強壮にも有効です。皮膚の炎症、高熱、出血、潰瘍の症状がある時には使用しないでください。

ドーシャエネルギー VK-, P+
6つのラサ 辛味、甘味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 加熱
ヴィパーカ(消化後の味) 甘味
ダートゥ(組織への影響) 全て
系統 消化器系、呼吸器系

ペパーミント

アーユルヴェーダからみた使い方

名前:ミント|Phudina

ここでは一般的なミント(とくにペパーミント、スペアミント、ホースミント)の解説をします。ミントは優しく神経系と消化器系に働きかけます。身体をリラックスさせ、マインドや感覚をクリアにさせます。風邪やインフルエンザや合併症の発汗を穏やかに助けます。ペパーミントは、一番の刺激剤と消化促進剤です。スペアミントはよりリラックスや利尿にいいです。ホースミントは一番の鎮痙剤で、月経困難症に向いています。ミントは、とてもたくさんのエーテルの要素を含んでいると考えられています。そのため、滑らかにし、冷やし、浄化し、広げる性質があります。精神や感情の緊張や混乱を静めてくれます。

学名 Mentha spp.
使用部位 葉
ドーシャエネルギー PK-, (過剰摂取の場合V+)
6つのラサ 辛味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 冷却(少し)
ヴィパーカ(消化後の味) 辛味
ダートゥ(組織への影響) リンパ、血液、骨髄、神経
系統 呼吸器系、消化器系、神経系、循環器系

ペパーミントは、賦活後、鎮静させてくれる珍しいハーブです。中枢神経を刺激し、脳の働きを活性化してくれます。眠気を吹き飛ばし、集中したいときに向いています。熱を覚ます効果があるので、暑い夏に冷たいミントティーはぴったりです。発熱時にも体を冷ましてくれます。また、上腹部の機能性、痙攣性障害に有効で、胸やけ、吐き気、痙攣性の痛みによく効きます。天然の胃腸薬となります。消化を助けてくれるので、食べ過ぎや胃もたれ、乗り物酔いにも効果的です。ペパーミントの精油成分には、大腸菌や黄色ブドウ球菌に対しての抗菌作用があるので、消化不良や吐き気にいいことが分かっています。さらに精油成分は平滑筋に作用し、カルシウムイオンの調整を行い、鎮痙作用をもたらすことが科学的に分かっています。それは鼓脹や過敏性腸症候群に効果的です。ペパーミント精油は禁忌が多いですが、ハーブは作用が穏やかなので使いやすいです。

アシュワガンダ

アーユルヴェーダからみた使い方

アシュワガンダ

アーユルヴェーダの観点からみても、アシュワガンダは若返りのハーブです。特に筋肉、骨髄、精液に働きかけ、ヴァータ体質にもいいです。仕事のやりすぎ、睡眠不足、神経疲労にも使えます。不妊症の女性にもいいと言われています。

学名 Withania somnifera
使用部位 根
ドーシャエネルギー VK-,(過剰摂取により P+, Ama+)
6つのラサ 苦味、渋味、甘味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 熱
ヴィパーカ(消化後の味) 甘
ダートゥ(組織への影響) 筋肉、脂肪、骨、リンパ、神経、生殖器

アーティチョーク

特徴

キク科の多年草で、地中海沿岸が原産です。様々な品種があります。現在は料理の食材として有名ですが、古代ギリシャやローマ時代から、薬用として使用されていました。肝臓にいいことから、お酒を飲む人にはオススメです。ベトナムでは二日酔いを防ぐ薬草茶として飲まれています。

アーティチョークの効果効能

葉に含まれるシナリンという成分が、肝機能に働きかけます。肝機能を高め、肝臓の解毒をし、血中コレステロールを下げる働きがあります。消化器系の働きを向上させるので、食欲不振を改善させます。同時に脂肪の分解を促進するので、脂肪分の多い肉料理を食べた後などにも有効です。胃もたれを防ぎます。その他、便秘や貧血、糖尿病の防止にもいいと言われています。ハーブティーを使ったうがいは口臭予防にもなります。

作用

胆汁分泌促進作用
抗酸化作用
脂質低下作用
消化促進作用
利尿作用
強肝作用
利胆作用
解毒作用
適応

消化不良
食欲不振
口臭
貧血
便秘
高コレステロール血症
動脈硬化症
二日酔い
effects

有効成分

シナリン、カフェ酸、フラボノイド配糖体、苦味質(シナロピクリン)など

注意事項・禁忌

アーティチョークはいくつか注意点・禁忌があります。

妊娠中・授乳中は、専門医のアドバイスのもと使用すべき
胆道閉鎖・胆石患者は医師の診断後に使用
キク科アレルギー・アーティチョークアレルギーの人は禁忌

エキナセア

特徴

アメリカの先住民が大切に使っていたハーブです。傷の手当てや咳止め、喉に使用されていました。免疫力を高めるハーブとしても古くから使われてきました。風邪の予防にハーブティーとして飲んだり、抗菌作用を含んだクリームを作ることもできます。

スピリチュアルなストーリー

アメリカ先住民はエキナセアをおまじないや呪いの効果をさらに高めるために使用していました。精霊への捧げものとして使っていたそうです。

エキナセアの効果効能

作用

抗ウイルス作用
抗菌作用
免疫賦活作用
消炎作用
創傷治癒作用
適応

ニキビ、湿疹
ヘルペス
風邪
インフルエンザ
尿道炎
膀胱炎

カンジダ症
effects

アーユルヴェーダからみた使い方

アーユルヴェーダの観点では、エキナセアは強力な血液とリンパのデトックス作用があるハーブです。天然の抗生物質として働き、体内の解毒をします。白血球の働きを促進させ、膿や身体の腐敗を阻止します。血液と肺にも働きかけるので、風邪やインフルエンザにも効果的です。炎症を抑えるので尿道炎や膀胱炎にも有効です。

ヘルペスやカンジダ症などのあらゆる感染症予防に効果的です。下痢の症状や傷にもいいと言われています。治りにくい傷には外用として使用できます。

虫刺されや傷には湿布にして使用すると効果的です。

学名 Echinacea angustifolia
使用部位 根
ドーシャエネルギー PK-, V+
6つのラサ 苦味、辛味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 冷却
ヴィパーカ(消化後の味) 辛味
ダートゥ(組織への影響) リンパ、血液
系統 呼吸器系、リンパ系、循環器系

 

エルダーフラワー

特徴

樹高約10mの高木でヨーロッパや北アフリカ、西アジアが原産です。風邪やインフルエンザ等の症状が出た時の代表的なハーブです。薬効に富み、古くからあらゆる治療に使用されていました。そのため「庶民の薬箱」や「万能の薬箱」などと呼ばれていました。

スピリチュアルなストーリー

北欧の神話や伝説では、結婚や多産の女神であるHuldaとエルダーを結びつけるものが多く存在します。ゲルマン神話では、全ての妖精はエルダーかオークの根元に住んでいるとされていました。エルダーの枝は魔法の杖を作るのに使われていたと言われていて、ハリーポッターにも「ニワトコの杖」が登場します。カルペパーはエルダーの湯気の上に座ると、子宮の硬さをほぐして月経を促すと述べました。花の蒸留水は、日焼け、そばかす、水泡を消して肌をきれいにしたり、頭につければ冷えからの頭痛を取り除くとしています。

感情面への影響

軽く開放的なエルダーの花は、感情面では重く煮詰まった心を軽くしてくれる作用があります。夜を怖がったり、悪夢を見る子供に、もしくは死に対する恐れを感じる場合に向いています。生から死への通過や移行を楽にしてくれるハーブです。人生での逆境、喪失などから希望を見出す助けをしてくれます。

エルダーフラワーの効果効能

「インフルエンザの特効薬」と言われるほど、インフルエンザや風邪の症状には欠かせないハーブティーです。発汗作用や利尿作用に優れ、体内の毒素や熱を排出してくれます。風邪のひきはじめのうがいにもいいと言われています。抗カタル作用があり、アレルギー症状を緩和させてくれます。花粉の時期にも症状を抑えてくれ重宝します。不安定な心をなだめる効果もあります。コーディアルやチンキ剤としてよく使われます。

作用

発汗作用
去痰作用
抗カタル作用
利尿作用
抗アレルギー作用
適応

風邪の初期症状
インフルエンザの初期症状
花粉症
その他カタル症状
シミ・そばかす
effects

有効成分

精油、フェノール酸(クロロゲン酸)、フラボノイド配糖体(ルチン、クエルシトリン)、粘液質、青酸配糖体(サンブニグリン)、ミネラル(カリウム)など

注意事項・禁忌

通常の使用の範囲では安心して使えるハーブです。妊娠中・授乳中の使用に関しては、問題は確認されていないものの、最終的な安全性は確立されていません。

ゴツコラ

アーユルヴェーダからみた使い方

名前:ゴツコラ|Brahmi

ゴツコラはピッタを強壮させると共に、ヴァータを抑制します。神経系を落ち着かせカパの過剰を抑制します。ゴツコラは、知力や記憶力をアップさせ、長寿のハーブとされています。クレンジングと栄養補給両方をしながら免疫力を強化させます。血液を浄化する作用もあり、湿疹や乾癬をはじめとした慢性的な皮膚疾患にもいいと言われています。マラリアのような、一時的もしく断続的な熱にもいいです。その他、神経系の不調、てんかん症、老化、抜け毛、性感染症にも有効です。ゴツコラは痒みを助長させる可能があるので注意が必要です。また、過剰摂取により頭痛や一時的に意識が無くなる可能性があるとされているので注意が必要です。

学名 Centella asiatica
使用部位 葉
ドーシャエネルギー VPK=
6つのラサ 苦味
ヴィールヤ(消化中のエネルギー) 冷却
ヴィパーカ(消化後の味) 甘味
ダートゥ(組織への影響) 生殖器以外全て(特に血液、骨髄、神経)
系統 神経系、循環器系、消化器系

 

ABOUTこの記事をかいた人

長野県大町市在住
主な保有資格
・NESプラクティショナー
・ナチュラルフードコーディネーター
・薬膳コーディネーター
・免疫栄養学『分子栄養学』
・チャクラセラピスト資格取得
・アーユルヴェーダセラピスト資格取得
・エソテリック・ヒーリング初級中級コース取得

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